こんにちは!
本日は花の『水揚げ』についてご紹介します。花のある暮らしには欠かせない『水揚げ』。お花を飾る際に最初に行う作業です。正しい水揚げを知って、お花をより長く楽しみましょう。
当記事はこんな方にオススメ↓
- 花のある暮らしを始めた
- 少しでもお花を長持ちさせたい
- 水揚げの方法を詳しく知りたい
そもそも花の水揚げって何??
お花屋さんで購入した花は、そのまま水に活けただけでは水を十分に吸い上げません。
花の茎に適切な処理を施して、水を吸収させる作業を『水揚げ』と言います。いわゆる、茎をカットなどして水に活けて、水を吸わせる事を指します。
また適切な水揚げがされているかどうかで、その後の花持ちもかなり変わってくるので、とても重要な作業です。
- 水揚げは、花を購入(仕入れ)してきたら最初に行う作業。適切な水揚げを行うことによってお花がより長く持ちます。
お花が水を吸収する原理は??
お花は茎の先端からお水を吸い上げます。ですがしばらくすると、茎の先端からバクテリアや細菌が侵入します。
すると茎の導管が細菌で詰まってしまい、お水を上手く吸収できず水が下がってしまいます。(※)
つまりお水をよく吸わせるためには、水に活ける前に茎をカットするなどし、詰まった導管部分の茎を排除する事が効果的というわけです。
- バクテリアや細菌で詰まってしまった茎をカット等する事により、新たな断面から水をグングン吸い上げやすくなる。
(※)水が下がるとは??
水が十分に上の方(花の頭の方)に行く事ができず、元気がない状態を『水が下がる』と言います。
逆に適切な水揚げを行い、お花が元気な状態になった事を『水が上がる』と言います。
誰でもできる!水揚げ方法や種類を詳しくご紹介!
水揚げ方法は主に以下4つです。
- ハサミでカットする
- ナイフでカット
- 折り
- 叩き&割り
この他にも、『湯揚げ』や『焼き』などの水揚げ方法もありますが、上記の三つの方法だけで十分水は上がります。
『湯揚げ』••••茎の先端をお湯につけて茎の中の空気を排出し水を吸収しやすくする。
『焼き』••••茎の先端を焼く事で殺菌し、湯揚げ同様茎の中の空気を排出する。
それではお花によって適切な方法があるので、詳しくご紹介して行きます!
①ハサミでカットする
茎の先端を普通にカットする方法です。これにより細菌で詰まった茎を排除し、水の吸い上げを良くします。カットする部分については、茎の先端から約1cm程度のあたりをカットすればOKです。
またカットの方法も種類があります。
まっすぐカット
普通にカットする方法です。こちらはそこまでお水を必要とせず、水も少なめに活ける花が向いてます。
まっすぐカットした方が良い花
カラー、ガーベラ、ダリアなど
斜めにカット
こちらは茎に対して斜めにカットする方法です。こうする事でカットした断面積が広くなり、たくさん水を吸うことができます。
斜めにカットした方が良い花
バラ、葉物、グリーン系
水切り
こちらは水の中で茎をカットする方法です。水の中でカットする事により、切り口から空気の侵入を防ぎ、より水を吸い上げやすくなります。ですが、普通に空気中でカット(空切り)してから水に活けるのでも特に問題はないです。元気がない花の場合は水切りするとより効果的です。
カットの方法も3種類ご紹介しましたが、基本的にまっすぐカットで問題はありません。ただ、斜めにカットしたり水切りした方が水が上がりやすいので余裕のある方はやってみてください。
- カットはまっすぐ空切りで十分だが、余裕があれば水切り&斜めにカットをすれば良い。
ちなみにオススメの花バサミはコチラ↓
グッドデザイン賞も受賞した、初心者にも扱いやすい「SAKAGEN」さんの花バサミ
②ナイフでカット
花をカットするのにナイフを使用するのはあまり馴染みがないかもしれません。ですが、じつはお花屋さんにとっては必需品です。
やり方はナイフで茎の先端を斜めにカットします。
茎を先述のハサミでカットと何が違う??
ハサミは文字通り二つの刃で挟んでカットするため、水を吸うための茎の導管が潰れやすくなります。
ナイフでカットする場合は、一方向に圧力をかけてカットするため、導管が潰れずにより水を吸い上げやすくなります。
専用のフラワーナイフがあるので、より長く花を楽しみたい方は使用する事をオススメします。手を怪我しないよう、扱いには十分注意しましょう。
ナイフでカットした方が良い花は、、
スカビオサ、グリーンミスト、アフリカンブルーバジル、ダサティーミラー、ラン系
主に水が下がりやすい繊細な小花や草花系、乾燥が苦手な花などです。
+α ナイフ&ワタを取る
じつはナイフでカットした後、茎の中の白いワタを取り除いた方が水上がりが良くなる花があるのでご紹介します。
ナイフでカットし、中のワタをとった方が良い花
アジサイ、スノーボール
こちらは特に水が下がりやすい花です。このワタを取り除くだけで、かなり水上がりが良くなるので試してみて下さい。
- 特に水が下がりやすい花は、ナイフでカットが効果的
③折り
茎やカットするより、もっと効率よく水を吸う方法が『折り』です。
やり方は茎の先端をバキっと折るだけです。こうする事により茎の断面がギザギザ&繊維がほぐれてより水を吸いやすくなります。
ですが、これは向いてる花と向いて花に分かれるので注意しましょう。
折りが向いてる花
菊
※菊は折りが向いてますが、基本的にはハサミでカットでも問題ありません。
④割り&叩き
枝物は水をたくさん吸うので、カットするだけでは元気になりません。枝先をトンカチなどで叩き、茎の繊維をほぐす事でよりたくさんの水を吸収できます。
また枝先に十字に切り込みを入れる『割り』でも、吸収する面積が広くなります。
割りや叩きが効果的なもの
水をたくさん吸収する枝物
その他、水揚げ時の注意事項
水揚げの種類と方法はご紹介しましたが、その他に気をつけるべき事をご紹介します。
ハサミ、ナイフは清潔に!
お花が元気がなくなるのは、水を十分吸えていないから。その原因の一つとして、茎の導管が細菌やバクテリアで詰まってしまうという事を説明しました。
つまり、汚れたハサミやナイフを使用すると、そこについた細菌などでまた茎の導管が詰まってしまいます。なので、ハサミやナイフは常に清潔にしておく事が大切です。
水に浸かる葉は取る
葉が水に浸かると、水が濁りやすくなります。水が濁るのは、水中に細菌などが増殖しているからです。水揚げをした後、花を活ける際は水に浸かる部分の葉は取り除いておきましょう。
茎から白い液体の出る花について
オキシペタルムなどの一部の花ですが、茎をカットした際に断面から白い液体が出てくる場合があります。
この白い液体を放っておくと、固まってしまい導管を塞いでしまいます。なので水で洗い流してから活けましょう。
最初から元気がない場合は?
花首が下を向いてだらんとなってしまったり、なんとなく元気がない場合は、頭を上を向かせるように新聞で巻いて水揚げしてみましょう。
お花は水を吸うと、その時の姿のまま元気になるので、新聞で巻く事で姿勢を矯正させる&支えてあげる効果があります。
ちなみにコスモスなどの繊細な花は首が下に向いたまま水揚げすると、元気になるけど首が下を向いたままになるので、見た目があまりよくなかったりします。
いかがでしたか?
正しい水揚げ方法を知って、より長くお花を楽しみましょう♪
最後までご覧頂きありがとうございました♪
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